中国の屋上にある 「招き猫」は、かわいらしくも威厳がある!

中国の伝統的な建物の棟には、多くの場合、1つまたはいくつかの建築要素がある。代表的なのは、龍、鳳凰、獅子、天馬などの屋根獣で、これらは家の神聖な獣ともみなされ、邪気を払い、建物と居住者を守る象徴性を持っている。

各地の住宅の軒先には、さまざまな装飾が施されている。雲南省の屋根には、「瓦猫」という一種の陶磁器の建築装飾要素があり、屋根の中央の棟の上か、屋根の四隅の軒先に立てられている。この装飾は何千年も続いており、雲南独特の建築様式である。

瓦猫は「猫」という名前が付いているが、その原型は幽霊を食べる虎に由来する。中国では虎はその大きさと強さから「百獣の王」として知られており、「虎は幽霊を食べる」という伝説もある。風習や信仰の影響を受け、瓦猫は猫や虎に似せて作られ、邪気を払い、風水を正すために屋根の上に置かれる。

瓦猫は粘土で形を整えて釉薬をかけて焼成するのが一般的だが、石を彫って作られるものもある。瓦猫は大きな口と小さな体を持っており、この大小のコントラストが獰猛な瓦猫に可愛らしさを加える。瓦猫の大きな口は「金を飲み込む」という言い伝えがあり、瓦猫が屋根の上に設置されていれば、外にある金銀財宝を飲み込んで持ち主の家に運んでくれるという。

時代の発展とともに、瓦猫は屋根から「歩いて降り」、民間建築の装飾品から観光工芸品へと発展し、民俗学の専門家や学者によって収集され、数万世帯に届いた。昆明の地下鉄4号線にも、瓦猫の姿が登場した。

瓦猫は茶缶、香炉、ペンダントに変身したり、さまざまな展示台で装飾品やマスコットになったりして、精巧で独特な芸術的スタイルで観光客に好まれる土産物となっている。瓦猫に込められた民俗文化は、より遠い場所にも広がっている。

昆明市龍泉古鎮博物館群・瓦猫博物館

住所:昆明市盤龍区龍泉街司家営社区龍泉古鎮

入場料:無料

筆者:Moka


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