西洋を驚かせる「東洋の贅沢品」は、どれほど美しいのだろうか?

フィリグリー象嵌細工は常に皇家のみが使用する宮殿の技であり、最高の優雅さを示しており、その卓越した職人技を知れば誰もが驚くだろう。

フィリグリー象嵌細工には、「フィリグリー」と「象嵌細工」の 2種類の手工芸の技能を組み合わせている。春秋戦国時代に登場し、最初は装飾のために青銅の表面に塗られた金属だけで、後に金と銀のフィリグリープロセスの生産があり、その後、いくつかの複雑なプロセスを経て、完全な工芸品を形作ることができる。

隋や唐の時代にシルクロードが開通し、明の王室が金や銀の宝飾品を求めたことに加え、西洋の工芸品や宝石の流入により、フィリグリー象嵌細工の工芸品の数は膨大で、非常に豪華なものになった。

その製法は非常に難しく、素材は純金と純銀、希少な宝飾品であるため、価格は非常に高くて、歴史的には皇家の宝物である。

芸術的な装飾と独立した実用性という両方の特徴を持つため、フィリグリー象嵌細工はエナメル細工や玉彫り、その他の製造技術と有機的に融合し、より豊かな芸術的美学を備えた高品質の工芸品を生み出した。

北京の定陵から出土した「金絲翼善冠」は、糸のように細く透明で、重さはわずか826グラムしかない。 その精巧さ、重さのいずれをとっても、世界に誇る貴重な文化財である。

しかし、フィリグリー象嵌細工は高貴な雰囲気を持っているため、必ずしも高価であるというわけではない。小さな装飾品は数百元で入手できる。

近年、中国の強力なサポートにより、美術工芸産業は空前の発展を遂げ、フィリグリー象嵌細工も失われつつあった状態から復活を遂げているが、それは純金に刺繍を施すのと同じくらい難しいものである。この技術を習得できる人はほとんどいない。

2015年、1990年代生まれの若者、辜国強はフィリグリー象嵌細工を学ぶことを思いついた。この時、重慶のフィリグリー象嵌細工の継承者、美術工芸の達人である李昌義が新聞で見習い募集の広告を掲載した。

長年にわたり、辜国強は中国と西洋の技法の長所を学び、現代人の美意識に合った工芸品へと革新してきた。一方では、現代のコミュニケーションツールを最大限に活用して、この古来の技法と、そこに込められた中国の美意識を広めていた。

筆者:金田


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