真夏の海島記 楽しさ尽きない海釣り体験

アメリカ人作家のヘミングウェイの「老人と海」を読んだ事がある人なら、サンチャゴとカジキの3日間の戦いを忘れないだろう。小説の中の海釣りとは違い、実際の普通の海釣りは、都会の喧騒や人混みから遠く離れ、小島を探し、天地の間で釣り竿を大きく振れば、心も身体も完全に開放されるだろう。

連雲港には「海州」という古称がある。これは目の前に島が連なり、背後には雲台山あり、そしてと接続できる港を持っているので、「連雲港」という名前となった。 連雲港には全長211.587kmの海岸線があり、風光明媚な海州湾には計20の島と礁がある。 中でも、は秦山島、車牛島、平島、竹島等9つの島は江蘇の特定観光島に選ばれており、毎年夏には数え切れないほどの海釣り愛好家が訪れ、海釣りを存分に体験する。

まるで仙境のような秦山島

秦山島はかねてより“秦山古島には黄海の仙境あり”と言われてきた。いわゆる“仙”というと、ここでは“三絶”の一つである“神路”に言及する必要があるだろう。 この神路と呼ばれる小道は全長8.8kmで、石英(クオーツ)玉石で覆われており、延々とS字型の小道が続いている。

海の潮が引くと小道が現れ、その真ん中を人が通ることが出来るようになる。潮が上がれば道は消え、海の中にある灯台だけがポツンと残る。

神路の“神”には言い伝えがあり、当時始皇帝がこの地を訪れ、秦山まで遠すぎると、巨石に鞭打ち橋を造らせ漁師たちはそれを“神路”と呼ぶようになったという“鞭石成橋”という話が広く知られています。

秦山島の二つ目の絶は“将軍石”である。東側の崖下には海水に侵食されて出来た約20mの岩が2つ威厳ある姿で立っており、地元漁師からは“大将軍”“二将軍”と呼ばれている。 “二将軍” は波に洗われ少し削れ、“大将軍”は毅然と直立している姿で、観光客の撮影スポットとなっている。また現在でも海の侵食で土砂が削られ、その中から新しい石柱が姿を表している。これら将軍石柱は連雲港だけに留まらず、中国全土的にも珍しい奇景の一つである。

また釣りをする為に秦山を訪れる人も毎年後を絶たず、珍しい自然景観以外にも、海釣りの絶好スポットとしても有名である。

岩場に波しぶきが舞い、風が吹き抜ける中、釣り人達は不動の姿勢で静かに魚を待つ。 上級者の釣り人も多く、時には人間の背丈より大きいシーバス

を釣り上げる猛者も現れる。 海鲈鱼の背中は青いグレーで、腹部は白く、側面には不規則な黒い斑点がある、釣り上げられた時の眼は屈服しないぞという力が込められているようにも見える。

大海深くにある小さな海島

前三島は連雲港の東部にあり、由平島、達山島、車牛山島の3つの島で構成されている。 総面積は0.32平方kmで市街区からは40〜60kmの場所に位置する。三島は海の中に3連星のように並んでいて、“日の出をみるなら三島”と言われるほど日の出が美しく、バードウォッチング、海釣り、日の出鑑賞の絶好のポイントで、特に面積わずか0.06平方キkmの車牛山島が三島の中で最も魅力的な島となっている。

このあたりの海域の水温は四季によって明確に分かれており、透明度は15メートルほどになる。またここは江蘇省の鳥類特別保護区となっており、鳥類、魚類にとり非常に良い棲息環境となっている。 150種類以上の鳥がおり、春と秋には南北を横断する渡り鳥の中間地点として沢山の鳥がここを訪れ、空を覆い尽くす。

車牛山島はまた海釣りにも最適の場所となっており、中国でトップ8の漁場の一つになっており、イカ、ハタ、ヒラメ、サバ等が主な種類となる。 時に幸運な人はフグや、海面をジャンプするイルカと出会う事も出来る。 多くの釣り好きがこの島を訪れるが、ここでの海釣りに満足しない人は居ない。

海釣りは海への新しい旅であり、未知の世界と触れ合う多くの楽しみがあり、また大きな魚を釣り上げた時の喜びは日常生活では味わえず、その誇らしい気持ちと満足感は言葉では表現できない。ここで海の神秘的な魅力を存分に体験してみよう。

Tips:車牛山島へいく場合は先に連島へ行き、連島から遊覧船にのる。

寄稿者:Lisa

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