「千年前は西楚英雄の地、現在は生態園林の街」。そう評される宿遷は中国で唯一、二大淡水名湖と二大名河を有する地級市である。市内には京杭大運河、古黄河がまるで二本の玉帯のように流れ、良質な水を湛えた洪澤湖、駱馬湖がそれぞれ南北に嵌まっている。緑色は宿遷の中心的色調の一つであり、このエコで名高い街の本来の姿でもある。

艶やかな緑の森、一本また一本と流れる澄みきった川、清浄な湖の数々……みな思わず一途に思いを馳せるほど美しい。可能ならば、夏の時間を小舟に折り畳み、長い棹を一本差して、ゆらゆらと美しい夢に入り込もう。そして涼める場所を見つけ、花見や水遊びをしたり、湖の風に当たったりして、宿遷の夏との恋に落ちよう。

絢爛たる夏の花を記録しよう：三台山国家森林公園、杉荷園

錦のように美しく咲き乱れる春の花を見たあとは、いよいよ夏の花が華やかに光り輝く時期だ。彼女たちは一斉に咲き乱れ、喜びに満ち溢れた様子で、焼けつくような日差しの下、麗しく艶やかな姿を見せてくれる。

夏の風が吹くと、一面に広がる紫色の花の海が衲田の見所になる。これは三台山国家森林公園の夏ならではのロマンだ。クマツヅラ、セージ、バーベナなどの花々が、みな姿をゆらゆらと揺らす。その様子は俯瞰であれ遠望であれ、まるで紫色の彩雲のようであり、非常に壮観で、思わずうっとりしてしまう。三台山をそぞろ歩きすれば、森、川、空を行く鳥、村落などが目に入り、桃源郷のようである。

ハスの花を観賞するなら杉荷園は見逃さない場所だ。毎年の仲夏の時節、白やピンクのハスの花が先を争って咲き誇り、香りを放つ。シラサギが杉の森を自由に飛翔し、魅力的な自然の絵巻を描く。そんななかを漢服を着て油紙傘を差し、木製の桟道をぶらぶらと歩いたら、古代の風格と気韻が生態の美しい景色とお互いに溶け合い、ほかにはない境地となる。

広々と果てしない夏の水をのんびりと歩き回ろう：駱馬湖沙灘公園

水面が霧に霞んで果てしなく、サファイアのように宿遷の大地に嵌め込んでいる駱馬湖が、江蘇省四大湖の一つであり、宿遷の母なる湖である。

美しい駱馬湖沙灘公園にはレジャービーチ、スポーツビーチ、入江ビーチという３つのエリアがある。また駱馬湖遊覧船乗り場、砂像展示エリア、児童楽園、ビーチクロスカントリーレースなどのアトラクションが設置されている、レジャーや観光に人気のSNS映えスポットである。

ここには清らかな水、青々と茂った木、白い砂浜、そんな夏の景色が限りなく広がっている。湖の風が頬を撫でるなか、のびのびと空気を吸い込み、砂浜では裸足になって天然の足裏マッサージを体験できる。また、波しぶきを追いかけるのもいい。湖水に足首まで浸かると、その涼しさは一瞬で全身まで伝播する。家族や友達、子どもと一緒に水遊びをしたり、砂遊びしたり、オフロードバイクや小さな汽車に乗ると、夏の楽しみを思う存分味わえる。

幽玄な夏の森に出会おう：平原林海

平原林海は古黄河、古運河に隣接している。あたり一面にポプラが植えられていて、渡り鳥がしょっちゅうここで羽を休めたり上空を飛翔したりしている。

森の中には素晴らしい景色が潜み、清風には夏の雰囲気が隠れている。観光エリアでは青々とした木々、あちこちに点在する池、河道が雑然としながらも趣きを作り出している。ここの自然生態湿地は品があり美しく、蓮池養生エリア、ドライブ体験エリア、森林探検エリア、児童レクリエーションエリア、レジャーエリアが設けられている。視線が届くところすべてに緑の息吹が溢れており、自然の奥深さを尋ねることもできるし、田舎の楽しみも体験できる。

ポプラの森が海のように広がり、森と水が寄り添っている。ひらひらと飛ぶシラサギと共に平原林海を心ゆくまで遊覧しよう。ここでは散歩しようと読書しようとサイクリングしよと、それぞれほかにはない趣きを感じることができる。旅の疲れを完全に洗い流して、気分をリフレッシュすることができる。ほかにもゆっくりとドライブしながら、窓を開けると入り込むさらさらという森の響きをそのままに耳を傾け、心身ともにリラックスしよう。

「靄立ち込める水の世界、緑色の夢の田園」。水韻で名高い街、宿遷を観光すれば、どこに行っても見るべき風景に出会い、常に心が揺さぶられる。そして人間と自然の調和のとれた共生という永遠の詩を鑑賞できるのだ。

寄稿者：江蘇観光（日本）ピーアールセンター