文化の脈絡を辿って東台文明に触れる

江蘇沿岸部中部に古いながらも絶えず成長を続ける不思議な土地がある。清浄な海がこの街に魅力的な生態与え、数千年にわたって受け継がれてきた海塩文明を形成している。その街の名は東台、「黄海の真珠」と嗟嘆される場所だ。さあ、ともに歴史の足跡をたどって歳月のなかの東台文明を目撃し、時空を超えた対話をしよう。

東台は両淮(淮南と淮北)海塩文化の発祥地である。歴史の古い串場河の中に、海塩文化が流れて、輝かしい結晶を残した。ここで「董永と七仙女」の愛情神話を生み出し、純粋で素晴らしい「天仙配」も人々に慕われ、謳われる。非常に美しい西渓景勝地、魅力的な古鎮の風景、多彩な博物所蔵品……この海辺にある桃源郷で、大自然と人文が互いに引き立たせて、末永く共存していく。

漢風遺韻ー西渓旅行・文化観光地

古代の東台は塩で繁栄した。海に臨む地理的条件が東台の独特な海塩文化を生み出した。春秋から前漢に亙って、賢い東台民衆は既に海水を煮詰めて塩を取り出す作業を始めた。宋代に至ると、東台西渓はもう「天下塩倉」と謳われるようになり、三代の宰相が前後して西渓の塩官を務めたことがある。明・清時代、西渓の製塩産業が頂点に至った。

雄大な宋韻古城を散策すると、城壁や古道、巍然として立つ楼台に近くに触れられる。西渓書院に行くと、もう読書の明るい声は聞こえないが、晏公の講義をする声は今も響いているような気がする。梨木古街を通ると、青石と青黒色の瓦に残される歴史の温度を実感できる。ゆっくりと前へ進むと、泰山古寺から深い禅意に満ちている鐘や太鼓の音及び僧侶たちの読経声が耳に入ってくる。踵を返して董永七仙女文化園に入ると、千年も伝われる愛情物語に心が打たれる。草市街内の平凡な生活の風味が、旅人に悠長な郷愁と懐かしい故郷の味を思い出させる

古塩の痕跡ー安豊古鎮

安豊古鎮の歴史は今より1200年前までさかのぼることができる。本来は「東淘」という名だったが、宋代に「安豊」に改名された。安穏な暮らし、豊富で自由な生活という意味が含まれている。安豊は製塩業の発展によって繁栄した。清朝に至ると、雲集する商人によって貿易が発達して、安豊には七里のある一本の長い繁華街が形成した。今の安豊古鎮もその中の一部だった。

古い街や路地を歩むと、歴史が琥珀のように、安豊古鎮の青いレンガや瓦に刻まれている。巍然として峙つ鮑氏大院に入って、昔の商人の伝奇的な物語を聞く。二百年も風雨に晒されたとは言え、古拙な建物の豪華さ、贅沢さは消えていない。延々と曲がりくねった路地に、呉家祠堂は詩家の気骨を示している。回廊亭外、伝統劇が上演され、古往今来の感動的な物語を演じている。

歩き疲れると、どっかの面屋さんで一杯の美味しい魚湯面が心を癒してくれる。古い街の奥にある「龍虎斗」删草炉焼餅は安豊の最も素朴な民風を表す。千年の石畳み道、昔の儘の午後の時間、南から北へ古鎮を散策すると、心の中から自ずと生活への熱意と落ち着きが生じる。

歴史の巻物ー東台市博物館

東台市博物館は東台5000年の風貌を集中的にアピールする所である。博物館の玄関を押し開けると、歴史の巻物もゆっくりと開き、東台千年の歴史と万種の風流を見せてくれる。新石器時代から民国まで、数千年の歴史文明がここで集まる。館内に各種類の所蔵品、文化財が6000点余りもあり、夫々に自分の物語を語っている。

館内に入ると、序庁中にある赤銅色のリリーフが見える。高さ10メートル、幅6メートル、「海韻塩魂」をテーマとする美しい絵巻のように、東台大地で千年も伝承される海塩文明を表現している。序庁を通ると、「髪繍芸術の郷の庁」に入る。その一本一本の糸が伝統的な工法の価値を表し、東台民衆の無尽蔵の知恵を示している。更に進むと、「書画と児童二胡芸術展示ホール」に入る。ここでは、何時でも視覚的、聴覚的な盛宴を満喫できる。

階段を登ると、二階と三階は博物館の展示館、海韻塩魂歴史文化展である。展示館には、六つのテーマに分けられ、新石器時代から1944年までの歴史を完璧に表している。ここでは、「塩によって誕生、塩によって繁栄する」町の独特な風情を実感できる。

寄稿者:江蘇観光(日本)ピーアールセンター

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