樹氷は東北特有の美しい風景というイメージを持たれている方も多いと思うが、特に吉林省吉林市にある樹氷島は、その数と厚さで全国一の樹氷と言われている。樹氷とは美しい出会いで、氷点下の水蒸気と小さな雫は付着できる凝結核を見つけることができず、凍りつかないまま、電線や木の枝など同じ凍結温度以下のものに遭遇すると、直ちに結合し氷の結晶になる。新しい雫が幾重にも重なって元の氷の結晶に軽く付着し、遠くから見ると細く白い花が枝に群がるように見えるのが樹氷である。
「低温」と「湿潤」の二つの条件で全国を見渡せば、美しい樹氷が東北を最も好む理由が分かる。まず、中国の最高緯度に位置する東北は十分に寒くて、雫を凍らす条件を満たしている。次に、気温が低いために蒸発量が少なく、そのうえ東北は季節風の影響を受け、湿潤の特徴がある。
また、中国東部の季節風地域に位置する東北の大部分の地域では雨が暑く、冬は寒さが長くて晴れた日が多く、夜間に雲が少ないため温度も下げやすい、これら全部が東北の壮観なる樹氷に恵まれた条件となっている。
新疆の乾燥した砂漠にも、なぜ樹氷があるだろうか。グルバンテュンギュト砂漠は中国にある唯一の冬に安定した降雪を持つ砂漠で、雪が急速に溶けて蒸発し、空気の湿度は短時間で100%に近づくことができる。この時、温度が急激に下がり、微風が水蒸気を地表の植生に吹き付けると、よりやすく砂漠樹氷を形成できる。
地形から見ると、天山の北斜面の冬は温度の逆転現象が普遍的に存在していて、すなわち海抜が高くなるにつれて気温も高くなる。霧をこの地域の冬に最もよくある天気現象の一つとなる。霧の存在が陸表温度を強く変化させると同時に、霧の中にある雫は突出した物の表面に付着し、凝結して、樹氷を形成した。
樹氷の美しさは一つではない。樹氷は変化に富んでいて、自然で、どこにでも付いていて、それぞれの地理的環境で異なる美しさを放つことができる。最後に、各地の異なる樹氷の様子を見てみないか?
黒竜江省クールビン(11月下旬から翌年3月まで)
クールビンの樹氷は4か月もあり、水辺で白くて真っ直ぐに立つ素晴らしい景色を楽しむことができる。
新疆白鳥泉(12月から翌年1月まで)
イリの白鳥泉は優雅で静かな樹氷の景色を呈し、樹氷と朝霧が相まって、まるで画境のようだ。
大興安嶺山脈(12月から翌年2月まで)
大興安嶺や阿爾山といった北方の壮麗な山脈には、百里以上も続く壮麗な樹氷が作られることもある。
安徽黄山(12月から翌年2月中旬まで)
冬の黄山はよく雪、雨氷、霧氷が現れ、積雪日数は60日余りにも達する。雨氷や霧氷ができる日も三、四十日あり、年間の七割ほどを占めている。
四川峨眉山(11月中旬から4月まで)
峨眉山の樹氷は観賞期間が長くて、11月の上中旬から雪に覆われた世界となる。金頂エリアから眺めると、樹氷や積雪、雲海が山を美しく飾っている。
浙江竜王山(12月から翌年2月まで)
浙江竜王山は、華東長江デルタの最高峰で、浙江省と安徽省の境に位置している。北からの寒波がここで妨げられ、竜王山は浙江省北部で樹氷が見られる数少ない場所となった。
湖南衡山(12月から翌年2月まで)
南岳衡山は五岳の中で唯一長江以南にある峰で、樹氷が見られる最南端である。山勢が高く、垂直の気候変化が明らかなため、山間部の気候は温潤で、一年中に緑が溢れて、冬季には白雪が緑の植物を覆う珍しい景色を見ることができる。
樹氷は美しいだけでなく、冬季の植物に水分を補給することもできる。都市部では、音波を吸収し、空気中のマイナスイオンの生成を促進することもでき、美しくて実用的だ。どこの樹氷があなたの心を一番動かした?