夏都西寧、西北の宝の地

中国の西北というと、多くの人が最初に荒れ果てた砂漠にある敦煌、カラフルな七彩丹霞、仙境のような中国の空の鏡と呼ばれる茶卡塩湖と思い浮かべるだろう。大自然の鬼斧神工は、壮美で、人々を震撼させ、癒される景色を作り出し、西北を誰もが憧れる観光地の一つにした。控え目で穏やかな都市、西寧もまさにそのようである。

四方を山々に囲まれた西寧は、冬は寒すぎることなく、夏は暑すぎることもない。その快適な気候で「中国の夏都」という美称が与えられた。しかし、青海に訪れた多くの人にとって、西寧は中継所にすぎない。しかし、実際には、一目だけ見ても、この「青蔵高原第一の都市」は深く且つぼんやりした印象を与えるだろう。「深い」印象というのは、この都市があなたの出会ったどの都市とも違うため、「ぼんやり」しているのは、それがあまりにも豊富で奥深くて、すぐに全体像に触れることができないからである。

西寧は漢族、チベット族、回族、モンゴル族、トゥー族、サラ族の6大民族が混在している都市で、異なる民族への包容力が、この都市の美しく輝かしい宗教文化を生み出した。ここには青海湖のような壮麗な大きさがないものの、長い間低く評価されてきた清らかな山と水がある。

日月山の風が経幡(タルチョー)と呼ばれる祈祷旗を千年もの間靡かせ、山と信仰の美しさは聖なる詩となった。

小紅書©晨阿阿光

小紅書©水之瞳

ここには古い町の落ち着いた気質があり、チベット高原の異域風情と少し組み合わさって、一度訪れれば忘れがたく、離れたくない、ゆっくりと時間が流れる町になった。しかし、都心に行って高い所から見下ろすと、西寧はまた灯火が赤々と輝く。

小紅書©旅行や店探しが好きな陸梅

01 西寧観光といえば、モスクからスタート

悠久な黄河流域文化を持つ高原古城として、西寧の人文風情は非常に特別である。西寧を見物するには、モスクから始めるのが一般的で、そこは信仰が深くに刻み込まれ魂を安置できる場所である。

/東関清真大寺/

東関清真大寺は青海地域の最大規模のモスクであり、西寧古城の有名な建物でもある。漢族、チベット族の風情と濃厚なイスラム建築の特色を融合させ、本堂の外には彫刻やカラフルな装飾があり、本堂の中には極彩色に輝いている。中央には3000人のイスラム教徒を収容できる大礼拝殿がある。多くのイスラム教徒の宗教活動の場だけでなく、イスラム経学研究の最高学府でもあり、多くのイスラム教育者を育成してきた。

/南関モスク/

南関モスクは1934年に建てられ、本堂の上部には大きなドームがあり、四角にはそれぞれ小さなドームと宝瓶の装飾があり、見た目も立派である。本堂の前には2つの角柱形の大きな建物があり、モスク全体をより優雅で華やか、荘重で壮大にした。

小紅書道©野鶴

/塔爾寺/

塔爾寺は1379年に建てられ、チベット仏教の六大寺院の一つであり、中国と東南アジアで名を馳せており、中国の5 A級観光地でもある。お寺中の酥油花(バター細工)の彫刻、精巧な壁画と精緻な堆繍は「塔爾寺の芸術三絶」と呼ばれている。そのほか、塔爾寺には仏教の書籍や経典が数多く所蔵されており、仏教文化を知る聖地であり、毎年ここで行われる「四大法会」も非常に賑やかである。

/南山公園/

南山公園は南鳳凰山の上に位置し、西寧の最高点、標高は2400メートル以上である。西寧の最も美しい日没を見たかったり、美しい都市の街並みを見下ろししたかったりする場合は、ここを見逃すことなかれ。公園には有名な法幢寺、南禅寺、鳳凰台もあり、時間に余裕があれば訪れる価値がある。

02西寧の幸せは山野でも見つけることができる

青海湖は雄大だが、西寧の山水秘境にも、目立たない美しさが秘められている。

/日月山/

日月山-倒淌河(逆流する川)-青海湖。これは多くの人が西北を旅行する時の最も典型的なルートである。青草でいっぱいの日月山は、雪峰の雄壮こそないが、かえって天国のような純粋な美で満たされている。

ここは文成姫が故郷を見送った最後の駅で、山風が経幡を靡かせ、音を立て、故郷の土に伴って、車の轍がゆっくりと遠ざかっていった。姫から王妃へ、伝説的な女性は新しい人生に入り、歴史の巻物に書き込まれていったのであった。

史詩の過去を投げ捨て、山間の牛や羊は世事を問わず、通りすがりの旅人を見守っている。この風景は、人と自然の調和の下での壮美なのである。

ここの五彩経幡はSNS映えすること間違いなし。人の有無に関わらず、どこを撮っても綺麗で素晴らしい写真になり、SNSで今年一のいいね!をもらえることでしょう!

/門源の菜の花畑/

門源県は北方の菜の花の発祥地であり、全国、さらには世界的にも最大の菜の花の栽培エリアであり、栽培面積は50万ムーに達している。江西省婺源の菜の花のようにやさしい感じはしないが、雪山の下にあるだけに雄大な迫力がある。毎年7月の初め、黄金色に輝く花の海が西は浩門河畔の青石嘴 から始まり、東は大通河畔の玉龍灘まで続き、その光景は極めて壮観である。起伏の多い連山は黄と緑が織り交ぜられ、小さな汽車がそこを行ったり来たりする。花の海の中に身を置くと、宮崎駿の漫画の中に足を踏み入れたようで、とても幻想的である。

/青海湖/

門源のほかに、夏の青海湖も一年で最も綺麗な時期を迎える。清らかな湖、延々と続く花の海、そして夜に輝く星空、この絵巻は、一目見るだけで胸がキュンとすることだろう。また、門源の菜の花よりも青海湖の菜の花の方が時間が更に長く、夏中ずっと楽しめる。ここの菜の花は「季節を隔てて植えられている」ため、7月から10月まで見ることができるが、最も美しい時はやはり7-8月である。青海湖の二郎剣景勝地では比較的固まった菜の花の海が見られ、花と湖の出会いは、真夏だけの視覚的な宴になるだろう。

—「歩いて旅を見る」より

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