下から猫に向かって猫を撮影するカメラマンは“喵呜不停”(ミャーが止まらない)さん、2012年から現在に至るまで10年間、中国各地を旅しながら街に住む猫を撮影し多くの作品を発表してきた彼は、猫の撮影から心の開き方、世界との関わり方などを学んできたという。
01 猫のように自由に生きる
2018年にプロの街猫写真家になる事を決心し、その時の心境を猫のように自分の好きな事をして生活してみたかったと言います。 プロになった後は、カメラとキャットフードと猫じゃらしを持ち、中国全国への撮影の旅に踏み出したのです。
今回は、そんな喵呜不停さんの作品から、中国の四季折々の街猫の写真と、中国各地で撮影した作品の2つのシリーズをご紹介いたします。
02 四季と街猫
〈春〉
春の街猫は、花の近くが好きなようです。 香りが好きなのか、風に揺れる花びらが面白いのか・・
早春、満開の蝋梅へ屋根の上を歩いていく街猫
モクレンの花の下でひなたぼっこ
南京でバラ大きな花壇に集まる蜂や蝶を追いかけて飛び跳ねる猫
一目を避けるように、ひっそりと階段を登る猫
〈夏〉
夏は涼しい場所、日陰の中に猫を探します。
青々とした夏の紅葉の葉が揺れを見つめる猫」
蘇州毅園の湖畔で花に飛んできた蜂を見つめる街猫
朝霧の杭州西湖の湖畔で涼む街猫
夕暮れ杭州西湖の湖畔で風に吹かれる街猫
〈秋〉
〈冬〉
モコモコした冬毛を温かそうに膨らまし、雪の中で佇み、雪と遊び、街猫達は冬も他の季節同様に満喫しています。
03 街猫撮影の旅、中国各地へ猫を探して
中国各地で猫を撮影して来た彼は、猫も人間と同じように街によって大きく性格や見た目が違う事を実感します。 北部の猫は毛が長く、凛々しい顔立ちで、威厳的な性格の猫が多く、南部では毛が短く細身で、筋肉質で人懐っこい、そして街で暮らす街猫達はどことなく人間味がすると言います。
04 北京、紫禁城の猫
北京で撮影された猫のほとんどが体の大きい長い毛を持つ猫で、凛々しい外見の猫が多い。気性は少しむずかしいようで、遠目からの撮影のみ可能な猫が多かった。
この長い毛を持つ白猫は、北京紫禁城の庭園に住んでいる猫で、3月の風の強い中、雪のようにふわふわとした毛が揺れ、ドレスを着ているように威厳がありました。
この猫は、紫禁城にいる猫の中で、おそらく最も人懐っこい猫。秋と冬には、いつも日光浴を楽しんでいるおとなしい猫でしたが、高齢の為最近亡くなってしまったようです。
05 港街の猫
夏の中国煙台市と蓬莱市で撮影された港街で生きる街猫を撮影した作品。
港街の猫は食料に困る事が少ない為か、リラックスした穏やかな猫が多いとの事。
06 蘇州に代表される江南地方の街猫
水郷と瓦屋根が特徴的な江南の街、詩的な歴史感たっぷりの街で生きる街猫の作品。
誰か呼んだ? 木製の古い窓から顔を覗かせる。
常熟市の雑貨屋の後ろの屋根で佇む街猫
07 中国南部、華南地方の街猫
南の温暖な気候、ゆったりとした人々の生活の中で猫もゆったりとしている。
古くからの生活が根強く残る、華南地方の街猫作品。
茶葉屋の招き猫、人懐っこくお客が来ると顔を見せてくれる。
潮州市の街猫、これらの地方では猫は福をもたらしてくれると考えられており、多くの個人商店で猫を見る事が出来ます。 南部ではスリムで筋肉質な美しさを持つ猫が多い。
中国発の街猫写真家の喵呜不停さんは、中国各地を巡る撮影の旅の中、猫に出会う瞬間、人生が微笑んでるように感じるとおっしゃっています。 猫への愛情たっぷりの作品、いかがでしたでしょうか。