紹興観光、ゆっくりと旧城を楽しむ

先週の週末、徐渭美術館が紹興市内にオープンしたことを知り、友人を連れて車を走らせながら向かった。突発的な旅の魅力は、計画も予定もなく、至る所がサプライズだ。紹興という、見回るにはもってこいの近隣小城を、この古風で壮大な絵巻物の中で私たちに広げていく。

紹興は水郷であり、城であるものが一旦水路に貫通されると、上下に動く櫂が城全体のリズムとなり、のんびりとする雰囲気を与える。こうした安定した気質が、ここに住む人々に知らず知らずのうちに影響を与えているかもしれない。

午前11時に出発して、一時間も掛からずに主城区に到着し、昼食は孔乙己に決めたから、倉橋直街に沿ってゆらゆらと目的地に近づいていく。櫂が水と交わり、掠めていき、繋がる櫂の音が、強くなったり弱くなったりする蟬の声とが、あなたをスマホの世界から引っ張り出すことができる。

越城で食べる

烏蓬船から振り返って、さらに進んでいくと、たくさんの人が列を作っていた。紹興に来たらもちろん臭豆腐は欠かせない。玄関には手書きの黒板があり、通り沿いの小さなテーブルには千切り乾し大根餅と調味料が置かれている。「臭豆腐」は揚げたてで、油の中でだんだんと黄金色に変わり、空気の中にもかんばしいと臭いのような不思議な匂いが立ち込んでくる。長い箸ですくって容器に入れる、それから茶色の甜麺醬と唐辛子のソースを少し掛ける、外はバリバリで中が柔らかい豆腐を熱いうちに食べるほうが良い。

孔乙己酒場の二階で伝統的な芸人が越劇を歌っている。年をとったものか、鑑賞力が上がったものか、多くの伝統曲芸をますます好きになっている。仕事中に評弾小唄をかけ、本を読む時に古琴曲をかけ、線香も立てて、情操を養う。

府山横町

徐渭美術館を出て、ぶらぶら歩く。紹興は河が多いため、自然と橋も多い。観光客らは階段を上り詰めながら穏やかな水面に波打つのを観ているが、それと同時に彼ら自身が身の回りにあるシダレヤナギと樟の木と一体になり、絵の一部となる。

売店で腰を拠えて本を読んでいる中年の人たち、四角亭で涼を取りながらおしゃべりする老人たち、道端の突き出る石で夢中になって碁をしている子供たち、彼らと偶然に出会い、シャッターを切って、彼らの最も日常の生活を記録した。

作揖町

作揖町の多くの家では、きれいな布を持っていて、日陰を作ったり、日除けしたりしている。日光が布に着色するのを見て、風雨が壁を塗り直すところも見る。

どこかの家の前にイチジクの熟した木があって、じきに成熟する果実がいっぱい付いている。日光は木の葉の影を青い石板の上に落とさせ、良い年頃の女子は傘をさしながら通る。もし太陽が月に変わったら、これこそ美しい聊斎物語になるのではないかと突然に思った。

新城をたくさん歩いた後に老城の面白さを初めて分かる。紹興とここに住んでいる人は、才能があって趣味も持っている。私もそのコアを発見しようとしている。街の大きさなのか?建物のまだらの外観なのか?それともここに住んでいる人々だろうか?人それぞれ自分の答えを持っているのかもしれない。

 

寄稿者:Travel_ノート

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