中国の窓に近づき、各地の春節民俗の大相違を見る

年の瀬が近づいており、中国の春節の雰囲気はますます近づいている。窓を開けると、明るい赤やにぎやかな灯りの結びつきが目にいっぱいで、それに加えて年越し商品の売り声は絶えない。中国の土地が広く物産が豊かで、年越しの味はさらに地方によって異なっている。では、一緒に見てみよう!

「明窓開筆」、新年最高な祝福

大晦日は旧暦の年末。春節は万象更新の始まり。中国人にとって、この忙しくて美しい2日間ほど重要な祝日はない。古代から中国各地の人々は数千年前から大晦日の夜に炉を囲んで年越しをしていた。春節の朝いち、新年の挨拶や祖先を祭る以外に、各業界は赤い紙を用意し、窓の前にいくつかの吉祥句を丁寧に書き直す必要がある。それは、「元旦開筆」と呼ばれる。

清の時代、この民間の年俗は次第に帝王の屋敷に入ってきた。雍正の時代から、皇室は毎年正月1日に「元旦開筆」を行い、「明窓開筆」とも呼ばれている。乾隆の時代には儀式がさらに本格化し、窓の前に文字を書くことが「新年第一の大典」に飛躍した。 

窓花を作り、人々の家を飾る

昔の家の窓は、ほとんどが素朴な木組みの格子で、光を通す障子紙をはり、飾りの窓花(窓飾りの切り絵)を飾っていた。窓花は点々としていて、真っ白な窓紙ではとても目立つ。今になって、窓紙がガラスに変わっても、多様な窓花は依然として目につく。簡単なものであれば、窓に真っ赤な福禄寿の字を貼り付けたり、複雑なものであれば、十二支、魚躍龍門など様々な様式があり、簡単に切り出すことは出来ない。

だからこそ、切り絵職人がいるのだ。物が豊かでない時代に、彼らは繊細な刀法で、普通の人々の未来に対する美しいビジョンを切り取った。今では生活環境が良くなり、彼らは無形文化遺産の伝承者になり、非凡な芸術の職人心で、古い文化の蓄積を続けている。

窓を開け、各地の年俗の奇と美を見る

最初の窓は、東北のを開けてみよう。地元で最も人気のある年越し料理の一つは、香ばしくて大きなヘーゼルナッツだ。ヘーゼルナッツは山栗とも呼ばれ、硬くてしっかりした殻の中には油脂を多く含む白い実が入っており、熱い火で炙ると香ばしくなり、口に入れるとさらに後味が絡まり、食べるのが止まらない。

そして急がないで。まず座って餃子を食べていこう。お正月になると、餃子は「ブラインドボックス」の重責を担わなければならない。こっそりとコインを餃子の中身に入れ、真っ白で大きい餃子の山に隠れ、「包財餃子」と呼ばれる。コインを入れた餃子を食べた人は来年には財源が回ってくる。

二番目の窓は、嶺南に行ってみよう。地元の年越し料理は、山海の幸のほか、食べきれないお菓子が目を引く。広東は、伝統的なお菓子の聖地だ。脂っこくて美味しい桃酥(タォースゥ)は、年越し期間中とても人気である。

 

新年早々、広東ではおとなしく寝たいとは思わないほうがいい。獅子舞は必ず朝早くにどらや太鼓を打ち鳴らし、爆竹を踏んで知らせに来る。獅子舞は南獅の民俗の一種で、造形がきれいで、表情が本物そっくりで、いたずら好きで活発で、朝早く起こしに来る以外に、高い杭を踏んだり、綱渡りをしたりして、特技が絶えない。 

次の窓は、華北平原に行ってみよう。ここは、年越し料理であれば、ナツメの天下である。

師走時期のナツメは、甘くて心にしみる臘八粥(ろうはちがゆ)であろうと、造型の異なるナツメの棗花饃(ナツメの飾り蒸しパン)であろうと、すべてナツメの本場である。ナツメだけが、北方の年越しの果物キングだ。

北方の人は豪快で、年俗でも江湖の豪気に満ちている。河北の張家口では、職人が柳の木のスプーンで熱した溶鉄をすくい、力いっぱいで城壁にこぼし、溶鉄が飛び散り、金色の光が輝き、まるで火の木や銀の花のようだ。これが 「打樹花」で、現地の人が正月15日に火の神を祭る習わしである。

近隣の河南省や山西省などでは「打鉄花」とも呼ばれている。出演者たちは棒を振り回し、高温の溶鉄を天井に叩きつけ、高さ十数メートルの鉄の花を作る。鉄の花を散らしながら爆竹に火をつけ、「龍穿花」との演出はとても壮観だ。

もう1つの窓は、ピリピリする川渝に行こう。巴蜀の大地では、数えきれないほど美食が多いが、年越し商品の主役といえば、やはり食べきれない落花生だろう。ここは中国の落花生の主産地で、師走のたびに、近所の人たちはいつも鉄鍋を立てて、匂いのする殻付きの落花生を強火で炒めて作る。それから、酒鬼花生、怪味花生などもある。

元宵節当日になると、地元では提灯焼きが欠かせないが、中でもひときわ目を引くのが龍提灯焼きで、西南地区に広く存在する風習である。舞龍人は大きなドラゴンボールを持って前にいて、他の人は竹製の龍頭や龍体を持ち後ろにいる。その間、人々は爆竹を打ち上げ、竹龍に向かって噴き出し、龍の体全体に火花を散らせ、色とりどりにする。一面の歓喜の中で、舞龍隊は家々を訪問し、おもしろさに満ちていて、道中はとても楽しい。

寄稿者:歴史の謎

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