東北地方の他都市とはちょっと違う、特大都市の仲間入りをした大連

このほど、雑誌『求是』から「超大」及び「特大」都市を対象に行った第七回人口調査の結果が発表され、大連市が特大都市の新たな一員になることがわかった。大連と言ったら、「ロマンチックな街」という人が少なくない。確かに、国際的、西洋的などのイメージがある大連は中国東北地方にあることと結びつけづらい。玉蜀黍の香りに包まれる東北地方にありながら、磯の香りがする大連はまるで「異邦人」のようだ。

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東北地方の感じがしない大連市に足を踏み入れたら、この若い街が持つ山東省に近い一面に気づくだろう。そしてさらに近づけば、大連は海が多くの川を受け入れように、包容力を持つことがわかり、我々の東北三省への認識を覆すことだろう。

大連の「大」、それは気前のいいこと

大連市の地図を開けてみると、東側と西側が全く違う都市区画になっていることに気づくだろう。西側は四角形で整然とし、東側の道は放射状である。東城区と西城区は非常に不自然なやり方を以って中心駅で合流する。一見ここまで調和されていないと思われる大連の都市計画に実は重い歴史の記憶が隠されている。

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遼東半島の最南端に位置する大連は山と海に恵まれ、今からすると絶好な場所のように考えられるが、長い歴史の中で、不幸が度々ここに訪れた。しかし、歴史の嵐にさらされても、大連は苦難に負けず、昔の小さな漁村から今の「北の真珠」に姿を変え、厚みのある歴史の蓄積のおかげで、今の大連は貿易、機械、建築材、化学及び金属加工業など扱う工業と港の都市となり、東北アジア最大の港でもある。

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玉蜀黍の香り?否、磯の香りだ!

東北三省について、「誰が東北の代表に一番ふさわしい」という言い争いを終わらせる答え、それは大連人だ。大連に短期間でも旅行に行ってみると、想像している東北とは全く別物の気がするだろう。街の中国風建造物群の中に、ポツンと西洋風の宮殿や日本風の建物が混じり、中国風の建物をよくよく見てみると、なんとなく西洋の味が融合していることが分かる。広大な海を背景に、大連はやはり東北に似合わない「異類」なのである。

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実は、大連の心の故郷が渤海を隔てる斉魯大地である。明と清の時代、大連はそんな早くから山東地域の影響を受けてきた。当時の人々は出稼ぎのために山海関を出たい場合、海から行くのが一番便利だった。しかし、大勢な山東移民はまだ関外の大地に到着する以前に、いい天候と豊かな物産に恵まれた大連に足を引き止められた。1945年まで、大連在住人口の190万人のうち、九割が山東人だった。

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とはいえ、大連人はいつも冗談半分で「黒吉遼」のことを「北面児」と言ったり(黒吉遼3つの省は北方地方と思う)、東北から「独立」すると「宣言」したりしても、実は知らず知らずのうちに東北の風習が大連の体内には染み込んでいる。海鮮の味噌煮といい、餃子や焼肉への愛着といい、大連人の食卓には東北風が欠かせない存在なのである。

「魯」を味のベースにし、東北の朗らかな風味を少々かける。少しばかりのウォッカや清酒の香りが混ざり、多種多様な文化が融合している大連は独特な磯の香りを醸し出している。

路面電車 大連を食べ歩きの正しい方法

ギーギーと音を立ててゆっくりとレールを軋む路面電車や道沿いの西洋風建物から歳月の面影が見える。ふと我に返り、「ねね、ここは欧州じゃなく、大連だ」と自分に言い聞かせる。今の大連でも、路面電車は昔のまま、東から西まで、都市の中心部を通り抜けている。交通の機能を担っていることより、大連の昔から未来へ走る電車というほうがもっとふさわしい。

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古い電車の車台、窓、扉が活用され、内装が古風な木構造にリフォームされた電車に乗り、たった一元で、東から西まで、ゆっくりと思う存分に大連を楽しむことができる。東関街、勝利橋、三八広場など電車の窓から見える風景は移り変わる。ずっと座って疲れてきたら、電車を降りて散策してみよう。華楽広場、二七広場、五一広場……その中の星海広場は新時代の大連の象徴とも言える場所であり、アジアの最も面積の大き都市広場で、また半分しか渡っていないのに、お腹がすいてしまうぐらいだ。

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大連での食事は優柔不断の人にとって、まさに「悪夢」である。東洋料理にしろ西洋料理にしろ、ここでは絶対に本場の味を見つけることができ。さらに、どんな料理にも、大連の海鮮が欠かせない。

大連人の心のトーテムである牡蠣は南部のものより小さいが、甘味も香りも抜群で、大連産わかめは日本人からも人気だ。ナマコのネギ油炒め、エビの揚げ物、韭と海腸炒め、イカの鉄板焼きなど、そう、大連人の「痛風料理」はこんなに呆れるほどだ。まだ足りないなら、餃子の注文を。海鮮入りの餃子で、サバ、ウニ、アサリ、巻き貝、エビなど痛くても食べてしまう一品だ。

お腹がいっぱいになったら、また一元で電車に乗り込もう。座席に座り、ぼーっとしながら、この鮮やかな悲しさと賑やかさが混ざった大連の歴史に迷い込み、ロマンチックさと素朴な感じが重なり、なんとも言えない快ささえ覚えるだろう。これこそが「東北の味」なのである。

—「九行」より

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