世界自然遺産 九寨溝 黄龍景区の夏の旅

黄龍景区は、中国の四川省アバ・チベット族チャン族自治州松潘県に位置し、面積は700平方キロメートルで、標高は1700メートルから5588メートルに及ぶ中国唯一の保護状態が良好な高原湿地だ。1992年には九寨溝は「世界自然遺産」に登録された。

黄龍景区は、「人間瑤池」という美称で知られていて、多彩な自然景観が特色である。その美しさが、毎年中国人を引きつけるだけでなく、外国人にも魅力されている。イギリスのBBCは黄龍景区の「人間仙境」のファンタジーを放送し、世界遺産公式サイトでも四川黄龍景区の素晴らしい映像をFacebookより配信し、多くの外国人ファンから大自然の美しさに感嘆せずにはいられなかった。

初めて黄龍景区に訪れると、まずはロープウェーに乗って展望台まで行き、その後原生林を通り抜ける。ここでは植物の被覆率が88.9%に及び、どこを見ても緑に包まれている。桟道を歩きながらそよ風が木の葉をそっとなでる音を聞きながら、心地よい涼しさを感じ、リラックスしたひと時を過ごす。

迎賓池

黄龍景区に入ると、まず目に飛んでくるのは、精巧で美しい水池で構成された「迎賓池」である。迎賓池は面積9600平方メートルで、海抜3230メートルに位置している。この池は350以上の鮮やかな色彩の池から成り立ち、精巧な構造と独特な形状が特徴だ。迎賓池は大小さまざまで、絶妙に配置され、周囲は山々に囲まれて、森が生い茂っている。水のせせらぎはまるで楽しい迎賓曲のようで、世界各地からの観光客を歓迎している。

飛滝流輝

黄龍景区では、湖や滝が至る所に見られる。滝は大小に関係なく、その形式は非常に圧巻だ。千層の青い水が斜面を下って流れ、数十の階段状の滝が形成され、まるで真珠が転がり落ちるように、銀の光がきらめき、たおやかな姿を見せている。

黄龍後寺

黄龍後寺は600年以上の歴史を持ち、少数民族地域の道教文化の変遷を調査する重要な遺跡であり、岷江源流が大禹治水の歴史をさかのぼる上でも重要な証拠となっている。

伝説によれば、大禹が治水の際、黄龍は禹を支えるために舟に乗り、生死を共にし、苦労しながら禹を助けて「九つの河を疏通し、九つの妖怪と十八の怪物を鎮めた」。百川が海に注ぐと水と陸が明らかに分かれ、大きな成果を収めた後も、黄龍は封爵を享受せず、牟尼沟と二道海に隠れ、その後、白鹿に乗って蔵龍山(現在の黄龍溝)に修行に入った。そして道を得て羽化し、五色の山水を世に残した。後人は寺を建て、毎年参詣を行っている。

五彩池

五彩池は海抜3576メートルに位置し、面積21000平方メートルの池群であり、693の彩色池から成り立っている。黄龍溝内最大の彩色池群であり、現在の世界で最も大きく、海抜が最も高い露天カルスト彩色池群である。大小さまざまな彩色池は水の勢いに乗って幾重にも重ね、ダムの色合い、光の反射度、池の深さによって様々な色彩を持つようになった。水面は太陽の光に照らされ、白色、紫色、青色、緑色など、濃淡の異なる美しさが広がり、まるで「人間瑤池」に足を踏み入れたような感覚を与える。彩色池は様々な色に変化するが、中の水はとても澄んでいて、木の葉が池に映り込む様子はまさに素晴らしい。

高山の蘭

黄龍景区では、高山蘭を至る所で見ることができる。黄龍の高山蘭は多種多様で、形状も様々で、お互いに競い合っているように、高山蘭の魅力を際立たせている。黄龍瑶池を歩くと、高山蘭に囲まれて、幽谷の清新な空気を吸い込みながら、爽やかさの中にも蘭の香りが漂う。花びらや露の上で踊る夏の息吹を感じる。

高原の最も美しい蘭を眺めながら、黄龍の極致の美を楽しむ。咲き誇る蘭は、澄んだ七色池のそばで咲き、周りの景色と相まって、見事な夏体験だ。

雨の黄龍

雨が微かに降り始め、霧や風のように降り注ぐ中、黄龍はまるで童話の中の仙境のようだ。雨の中で黄龍は大変生き生きしている。森の中の一列が木々が、砂漠を歩く一群の生き物のように見える。雨による浄化を受け、まるで生命を見つけたかのように甘い雨水を吸っている。雨は木々の上に降り注ぎ、雨水が木の枝から滴り落ち、地面には銀の玉のように変わる。小さな草は地面から静かに生えてきて、緑の絨毯を編んでいる。鳥やリスは森から競い出て、どれほどの安らぎと静けさを感じさせてくれるだろう。

ネオンの喧騒の外で、絶世の美景の中で、雨がそっと降り落ち、黄龍の静寂に積もった塵を洗い流す。七月の黄龍では、雨の中で花を観賞し、花の中から彩池を眺めることができ、童話のような夏を楽しむことができる。

寄稿者:自然の美しさを記録することだけ

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